6つの音色

彼らの音楽が大好きだ

雨の歌割り考察

 

こんにちは。

 

こないだ「こっから」が発売したと思ったら、もう「Creak」発売まで1か月…相変わらずのトゥナ集団、ますますアクセル全開ですね!!
完っ全に置いてけぼりの当ブログですが、少しでも追いつけるよう、ちまちま書き続けて行きたいと思います。

ということで、今回の歌割りはSixTONESの10thシングルより「雨」について!

聞きたい方はこちらのdigeSTからどうぞ。0:41頃〜です。


www.youtube.com

 

歌割りはこんな感じです!

※『雨』 Katsuhiko Yamamoto/Takashi Fukuda作曲、Katsuhiko Yamamoto作詞、Naoki Itai/Takashi Fukuda編曲
蛍光ペンっぽいラインが主旋律(色はメンカラ、全員部分は色なし)、マジックペンっぽい細めのラインがハモリ(文字の上なら上ハモ、下なら下ハモ)

 

 

正直、CD届くまではそこまでピンと来てなかったんです。上に貼ったdigeSTも公式サイトの視聴もほぼサビだけだったので、あ~SixTONESが歌うマイナー調いいな〜とか、歌うの大変だったんだ〜(雑誌)とか、オク下の北斗による深み~とか、「飛ぶのさ」の樹の歌い方好きだな〜、とかそのくらい。

が、フルで聞いたらそんなもんじゃなかった…!
(まだフルで聞いたことないって方いらっしゃいましたら、すぐさまCDショップに駆け込むか、ポチってください)

映像が見える。まるでドラマのよう。映像が見えてくる曲はこれまでにもあったんですが、ここまでの没入感は初。もはや音の洪水。雨降る中アスファルトに大の字で寝転びながら聞いて、全身で音と雨露を浴びて浸りたくなります。(最後の1文はホテルのベッドに大の字になって『雨』を聴きながらの感想)

 

なお、私は歌ド素人なので、雑誌で主にジェシーが触れている”絡めるような歌い方”がどう難しいのかわかりませんが、私なりにここ凄くね?とかここ面白いよね?というポイントについて触れていきたいと思います。

 

 

まず、歌割りで面白いと思ったのは、A・Bメロで担当するパートが決まっていること。今までは1番で歌っていなかった人が2番を歌う(PARTY PEOPLE、Lifetime等)とか、1番と2番で組み合わせがシャッフルされる(Boom-Pow-Wow!、Everlasteing、彗星の空等)ことが多かったと思います。が、今回は【ほくじぇ】・【ゆごしん】・【きょも】で担当箇所が決まっていて、【ほくじぇ】と【ゆごしん】はそれぞれの中で順番が変わりますが、【ほくじぇ】・【ゆごしん】・【きょも】の塊としては変わりません。

 

 

そして、今回1番注目しているのは、地声⇔ファルセットの切替です。皆さんお気づき通り、A・Bメロは1フレーズでの音域幅が広く、ほとんどのメンバーが途中でファルセットへ切り替えて歌っています。

 

A・Bメロのソロ部分のそれぞれの音域は図の通りです(樹はラップのみなので割愛)。

そもそも1フレーズの音域がめちゃめちゃ広いです。(特にほくじぇ。2オクターブ越えてますけど…)曲全体の音域が広いことはこれまでにもありましたが、短いフレーズの中で音域が広い曲は珍しいと思います。
例えば、過去1主旋律で最高音〜最低音の音域が広い曲はGum Tapeですが、1人が1フレーズで歌う音域幅は1オクターブ以内です。まあ、探せば雨より1フレーズで音域広い曲もあるかもしれませんが、ほぼ全員のパートで嫌がらせのように(笑)出てくるのは雨くらいでしょう。(しかも上がりっぱなしじゃなくて下行してくるんだから…。ついでに言うとサビの音域もなかなか広い笑。そりゃ歌うの大変でしょうね…。ちなみに、難しいらしいBメロ担当京本さん(本人談)、まさか1フレーズノンブレス?

 

ただ、今回注目してほしいのは音域の広さではなく、点の位置。ここで地声→ファルセットが切り替わります。※上行(=高くなっていく時)です。下行時の切り替えタイミングは上行時と同じ人もいれば違う人もいます。こーちは全て地声で歌っているので点がありません。

それとこちらを比べてみてください。↓は以前実施した声域調査の画像です。

※濃い色が地声、薄い色がファルセットの音域(詳細は以前のブログをご覧ください)

先程の図とも比べてみると分かりますが、みんな実際に出せる地声最高音より低いところでファルセットに切り替えているんです。(例えば、ジェシーは地声hiAまで出ますが、雨(の上行時)はmid2Gでファルセットに切り替えてます。)しかも聞いてお分かりの通り、みんな非常に美しく、スムーズに移行されています。

 

この背景には、Good Luck!やSing Alongの頃から感じていたファルセット技術の向上があると考えています。

ファルセットの話については元々Good Luck!やSing Alongの考察ブログで書こうと思っていたのですが、時間が経ってしまったので(言い訳)こちらに書いちゃいますね…

 

実は9thシングルに収録されている『Good Luck!』と『ふたり』、『Sing Along』の3曲は、サビの音域がほぼ同じなんです(mid2F♯〜hiB)*1。それを踏まえて先程も掲載した声域調査をもう一度見てください。

9thシングル3曲のサビ最高音であるhiBが地声で出せるメンバーはほとんどいません(北斗もNEW WORLDでhiBあったけど、他の曲で聞かない=少なくとも楽に出せる音域ではないと思われます)

つまり、余裕をもって地声でサビを歌えるのがきょもしかいない。※男性の平均的な地声最高音はhiAらしいので、別に5人が低いわけではありません。というかきょもが女性平均に近いんだよな(そして私はそれすら出せない)。

 

では、余裕で歌える人が一人しかいないのに、なぜわざわざこんな音域にサビを設定しているのでしょうか?

 

もちろん、調によって雰囲気は変わる(牧歌的、幻想的など。詳しく知りたい方はググってください。人によっても感じる印象は多少変わると思います)ので、調が与える雰囲気を優先した結果この音域になってしまった、という可能性もあります。ただ3曲揃ってこの音域(調は違う)というのはそれだけが理由じゃないだろう、と。(Good Luck!なんて転調してるんだから調整できたでしょうよ)

 

以前であれば、この音域にはしない(出しやすい音域に移調するor転調する)or最高音は京ジェに任せる、というのがパターンの1つだったと思います。例えばJAPONICA STYLEはサビ最後の「(We are so Japonica)Go...」だけ京ジェのソロになってます。
でも9thシングルの3曲は全員でファルセット域を含めたサビを歌っている。これは全員が地声⇔ファルセットの移行がスムーズにできると判断されたからではないでしょうか。

もちろん、以前からサビがこのキー(やそれ以上の高さ)の曲もありましたし、前述のジャポだって、各サビ全員ユニゾンでhiB♭が出てきます。ただ、最近のファルセット技術の向上(特にゆごほくしんじゅり)を感じていたこともあり、私は背景にこのような理由があると勘繰っています。樹は前から出来てたような気もしますが…しょっちゅうかなり低い音からファルセットに切り替えてたし。

 

以上がGood Luck!やSing Alongの考察ブログで書くつもりだったことです。で、こっからが本題の「雨」。これこそまさに地声⇔ファルセットのスムーズな移行が必要な曲です。しかも9thシングル曲と違ってソロパートな上に、曲調も静かなので余計にごまかしがきかない!!
これは9thシングルを経て、さらにファルセットを使いこなすことができると評価されたからこその曲であり、歌割りなのではないでしょうか。

 

特筆すべきは慎太郎。そもそも今回の曲では別にファルセットにする必要がないんです(事実、2番で同じフレーズを歌う髙地は全て地声で歌ってるし、それがダメなわけでもない)。にもかかわらずファルセットに切り替えていることはもちろん、その切り替えのタイミングが衝撃的でした。地声最高音hiAに対し、なんと4度も低いmid2Dで切り替えているんです。
今までファルセット自体少なかったのに、たろちゃん…マジでどこまで進化してくのよあなた…。

 

ちなみに、この曲でジェシーの最低音更新しました(lowA)。めっちゃ低く感じるな~と思ってたら、本当に低かった笑
ついでに、サビのオクターブ下ハモで(たぶん)北斗も最低音更新(lowF♯)してます。最低音良く聞こえないんだけど、オク下いるよね?北斗だよね?

 

 

歌割りとはあまり関係がないのですが、もう1点、この曲で特徴的だな、と感じたのがダイナミクス(音の強弱)。ABメロとサビとで非常にダイナミクスが激しい、というかp(ピアノ)とf(フォルテ)の差が大きいな、と感じました。ちょっとオーケストラを彷彿とさせる音量差。
(余談ですが、学生時代、夜間の勉強のお供にクラシックを流すのが常でした。が、オーケストラはダイナミクスが大きすぎて、ピアニッシモの部分は聞こえないし、音量上げるとフォルテになった瞬間に近所迷惑レベルの音量になる、という理由で吹奏楽曲ばかり流していました(吹奏楽曲はオーケストラ比で音量大きめで一定、オケのレンジが1~10だとしたら、吹奏楽は4~8のイメージ)。ちなみに、歌は歌詞の影響を受けるし、ピアノは色々演奏について思うことがありすぎて勉強に集中できないので却下。

今回、SixTONESの曲で初めてオケ聞いてたころのようなことが起きたんです。電車で聞こえずらいな~と思って音量上げてたら、サビに入った瞬間イヤホンぶん投げました(迷惑)。

 

もちろん、歌割りとしてもソロ→6人になるので当然音量は上がりますし、これまでにもそういった曲はありました。ただ今回は伴奏もダイナミクスの差が凄い。ほぼピアノオンリーのABメロ(2番はストリングスもいるけど)から、サビでドラムやエレキが加わり音に厚みが出ます。ABメロは静かに、そして助走なしでサビでエネルギーが爆発するイメージですね。

それまでしとしと降っていた雨が全てを洗い流すかのような豪雨になる。まるで流れる涙の勢いも増すかのように。日本語って雨の表現もたくさんあって面白いですね!

 

 

つらつら御託を並べましたが、ただただ地声⇔ファルセットの切り替えが気持ちいいくらい美しくて、浴びるほど聞きたい曲ってことです!!

 

で、11thシングル収録予定のソロ曲はいつ聞けますか?

*1:厳密には『ふたり』はmid2G~hiB。もっと言うと3曲とも1曲丸々ほぼサビと同じ音域。